ラミナリア挿入、完全流産
~ラミナリア挿入から、完全流産~
*このページには、流産に関するリアルな表現も、あえて書いてあります。
一つの体験談として、どなたかのお役に立つかもしれないと思ったからです。
ただ、これを見て、悲しみや不安が増してしまうようなら申し訳ないので、
ページを読む前に、ご自身で、読む、読まないを、ご判断くださいね。
2009.7.20 9W2D 手術前処置ラミナリア挿入
生理1日目くらいの出血続く中、病院へ。
15:00 病院到着。受付に手術依頼書、手術料預かり金(20000円)を提出。
15:15 診察室で、ラミナリア挿入。
ラミナリアは、耐え難い激痛だと聞いていたけど、
私の場合、少しチクっとした程度で、「えっ!?もう終わったの?」という感じ。
器具を装着、ラミナリア挿入、消毒、と、全ての時間を合わせても、1~2分で終わった。
挿入だけなら、10秒くらいだったかも。
先生曰く、痛みの度合いは、個人差があるけど、
お産経験が無いと、子宮口が堅く、痛みがあるが、経産婦はわりとスンナリ入るらしい。
挿入したラミナリアは、3本。 最後にガーゼも入れて終了となる。
帰り際、
「もう拒絶反応が始まっている。すでに出血もあるし、今、ガーゼで止めているけど、
今夜、大量に出るかもしれない。そうしたら電話してください」
と言われた。
大量出血の恐怖よりも、「拒絶反応」という言葉が、無性に悲しかった。
私は、うみちゃんを拒絶なんてしていない!
それなのに、体が勝手に反応してしまう。
流産って、こういうことなんだって思った。
処置室を出ると、そこは新生児のベッドルームだった。
U字型に並ぶ、赤ちゃん達。
すごく可愛かった。
順番に見ていこうと思ったけれど、途中で辛くなりやめた。
看護師さんに質問してから帰った。
*抗生物質、パセトシン2回分(夕食後と、夜10時)
*感染予防の為、入浴は禁止(シャワーはOK)
*夜10時に、薬を内服したら、飲食禁止
16:30 帰宅。
歩いたからか、出血が増えている。
今夜は安静に過ごすことにした。
ラミナリアが利いてきたのか、子宮口がチクチクするけど、
痛みは出たり引いたり・・・。
21:00 遅めの夕食をとる。
23:00 痛みが強くなってきた。
痛みで寝れなくなる前に、早めに寝ようと思い、就寝。
翌
03:30 痛みと喉の渇きで目が覚める。
トイレに行くと、生理2日目くらいの出血があった。
痛みは強まり、子宮が収縮するような感覚も出てきた。
不安になりながらも、眠りにつく。
2009.7.21 9W3D 手術目前に完全流産
05:20 明け方、痛みで目が覚める。
トイレで出血量を確認しようと立ち上がったら、何か大量に出た感覚。
振り向くと、シーツに血のシミができていた。
・・・・・が、量としては生理2日目のとても多いとき、という印象。
06:15 やっぱり、おかしい。
シーツ、パジャマを洗っていると、その間に痛みがどんどん増してきた。
チクチクした痛みに混じって、ぎゅぅう~~っと押されるような感覚もあり、
自然に手を腰に添えていた。
まるで、陣痛のようだ。
出血量も増え、トイレに行くと、ポタポタと、流れ落ちてくる。
ここで、「流産がはじまった!」と確信した。
トイレの中で、深呼吸した。
落ち着かなくちゃ。
流れ落ちてくる血の中に、うみちゃんの組織が混ざっていないか、
その都度、目を凝らして探した。
なんとなく、知っておかなきゃ。見ておかなくちゃ。という気がして。
・・・が、よくわからなかった。
どこかのサイトで、「しろっぽいもの」と見たような気がするが、
出てくるのは、レバー状の赤黒い組織のみで、
生理中にも、見かけるような感じだった。
「しろっぽい」とは、赤ちゃん自身のことなのかもしれない。
胎芽が見えないままの流産は、関係ないのだろう。
07:00 また何か大量に出た感覚。
トイレに行くと、ポタポタたれてくる血とともに、
何かがポトンと、落ちてきた。
血に染まったラミナリアだった。
怖くて、心臓がバクバクした。
急いで用意してあったゴム手袋を使い、ナプキンに包んで、見えなくした。
どうやら、3本のうちの1本が、抜け落ちてきたようだ。
落ち着かなくちゃ。
もう一度、深呼吸をした。
これはどうしたらいいんだろう?
多分、捨てていいんだろうけど、一応、とっておこう。
用意しておいたビニール袋に入れ、病院に持っていくことにした。
落ち着いたら、おそるおそる、ビニールを開け、ラミナリアを見てみた。
直径8ミリ、長さ6センチくらい。
元々の大きさはまっち棒程度らしいけど、こんなものが子宮口に3本も入っていたなんて、
すごいな~と、妙に感心してしまう。
感心してる間にも、血は止まらない。
お腹の中で、何かがぐるぐる動く感じ、コポコポ音もしたような気がした。
きっと、子宮が中を押し出そうとしてるんだ。
この調子だと、手術の前に、自然に流産になるかもしれない。
怖いけど、痛みは我慢できる程度だし、出血も、思っていたよりは少ない。
これより酷くならないなら、手術は避けて、自然に出てくるのを待ってみたい。
本来なら、病院に電話して指示を仰ぐべきなんだろうけど、
この状態で病院まで歩く自信は無く、かと言って、うちには車が無い。
夫と相談し、レンタカーが開く時間まで、このまま様子を見ることにした。
08:00 病院へ連絡。
「生理よりも明らかに多い出血で、トイレに行くとポタポタ流れ落ち、ラミナリアが1本抜け落ちた。
痛みも強く、陣痛に似ている」と伝える。
病院側は、
「早くきてもらえれば手術を早めることもできるけど、時間通りでもいいかもしれない」という回答。
そうだよね・・・ここまできたら、もう多少の時間差は関係ないのだろう。
「このまま自然に出てくるのを待つこともできますか?」 と聞くと、
「う~~ん。中が残っちゃうこともあるから・・・来れそうだったら、来てください」と。
レンタカーを手配して、お尻の下に、バスタオルを2枚敷き、病院へ向かった。
09:30 手術予定時刻30分前。病院到着。
状況を伝えると、10時の予定時刻を待たず、このまま手術に入ることになった。
手術着に着替え、診察台へ移動する。
緊張して、頭が真っ白になっていたら、右手に血圧計、
左手に、ブドウ糖の点滴、指先にも酸素計?かなにか、
あっという間に準備され、診察台も倒された。
点滴の中身を、ぶどう糖から麻酔薬に代えれば、
いつでも手術がスタートできる状態だ。
緊張して、クラクラしてきたので、少し頭を上げてもらえるようお願いした。
少ししたら、先生が入ってきた。
ラミナリア挿入からの経緯を聞かれたから、答えると、
「じゃあ、もう殆ど出てしまったのかもしれないね」 とのこと。
さらに、「まずは、内診して、手術が必要か判断しましょう」とのことで、
点滴や血圧計をつけたままの内診がはじまった。
えっ すぐに手術するんじゃないの?
しなくていい可能性もあるの?
戸惑っている私をよそに、いつもより、刺激のある内診が始まった。
痛みで、体がよじれると、看護師さんに両側から、押さえつけられた。
っと言っても、強い痛みは一瞬で、あとは我慢できる程度。
手術が必要なくなる可能性があるのなら、
どうぞ、ちゃんと確認してください、という気持ちだった。
さぁ、頑張ろう!と思った瞬間、何か、大きなものが滑り落ちる感覚があった。
「赤ちゃんが出てきましたよ」 との声。
どうやら、明け方からの出血の際、殆どのものは出てきていて、
胎のうも、子宮口下まで、滑り落ちていたのだそう。
先生が引っ張ったら、ツルンと、出てきたようだ。
この後は、同じ体勢で、超音波で子宮の中を確認した。
(お願い。全て、流れ落ちていてくれ) と祈った。
ほんの数日前には、あんなにお腹にいて欲しいと思っていたのに。
結果、殆どのものは出ていたけれど、
まだ少し、残っているものもある、と言われた。
こうなると、選択肢は3つ。
・ このままの体勢で、麻酔なしで残存物を、掻き出す
・ 予定通り、静脈麻酔をして、手術に入る
・ 自然に全て出るのを待つ(出なかった場合は、手術となる)
先生達は、麻酔なしで、残りを掻き出したかったようだけど、
私は、このまま、自然に出るのを待ちたいと伝えた。
そして、気になることを質問した。
・ 全て出てくるのにどのくらい日数がかかる?
・ まだ大量に出血することはある?
・ 全て出ずに手術になる可能性はどれくらい?
↓
「出血や、日数は個人差があるからなんとも言えないが、
今日殆ど出ているので、そんなに多くはないと思う。
ただ、しばらく遠出は控えて、無理は絶対にしないように。
結局、手術になる可能性は1~2割。
あなたの場合は・・・大丈夫じゃないかなぁ?
不安な状況が長く続くのが嫌なら、このまま処置してしまった方が、
簡単ではあるけどね。」
簡単って言われても・・・・。
麻酔なしの処置なんて、絶対に嫌だし、
手術も、麻酔の影響で、メニエール発作が出るのが心配。
やはり、自然に出るのを待つことにした。
2日間、様子を見て、明後日診察することに。
帰り際、先生が、
「これが出てきました」と、胎のうを見せてくれた。
瓶に入った状態で、ホルマリン・・・だろうか、なにかの液体に浸かっていた。
薄透明な丸い2センチくらいの袋を想像していたけれど、
私が見たものは、直径5センチくらいの、赤黒い、レバーのような塊で、
それが、クラゲのように、プカプカと浮かんでいた。
胎のうの外に、色んな組織が巻きついているのか、
それとも、胎のう自体、形が崩れてただの塊になっているのか、よくわからない。
少し見ただけで、目をそらし、身支度を整え、診察室を出た。
私は、うみちゃんを目に焼き付けることができ、よかったと思ったけれど、
同じ物を見て、ショックを受ける人もいると思う。
先生には、見たいかどうか、こちらの意思を確認して欲しかったと思う。
*感染症予防の薬(パセトシンカプセル250)/子宮を収縮させる薬(メテナリン0.125)、一日3回、3日分処方。
*入浴、シャワーは、2日間、禁止。
*遠出は禁止。
10:20 病院を出る。
痛みが嘘のようにひいていて、何も感じなくなっていた。
あれだけあった出血も、生理1日目くらいに落ち着いている。
薬の効果か、たまに子宮の中で、コポッっと、何かが動く感じがする。